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2017.10.29 (Sun)

チャイコフスキー 交響曲第6番 チェリビダッケ&ミュンヘンフィル

チェリビダッケ_悲愴1992

チャイコフスキー
交響曲第6番ロ短調op.74「悲愴」

指揮:セルジュ・チェリビダッケ
   ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団

録音:1992.11 ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニーホール(ライヴ)
レーベル:EMI

公演のライヴ録音ですがレコーディングを目的とした録音ではないのでマイクもおそらく
少ないのでしょう、会場で聞くような自然な感じです。オケとやや距離はありますが、
クリアさも不足無くもう少し抜けがよければとも思いますが、スケール感のある録音と
なっています。

第1楽章 25:10
 テンポはチェリビダッケ一流の遅さ。冒頭から陰鬱というよりは気だるい雰囲気が漂い、
 休止も十分な間が取られます。音楽が動きだしてからも足取りは重いですが、カッチリ
 とブロックが積み上がるような響きが特異です。
 金管の入りではチェリビダッケが「イーッ!」と叫んでいるのが聴こえてきます。
 弦楽の第2主題は非常に穏やかなもので優しく響きます、その後のフルートソロからの
 旋律からは特にスローで別の音楽を聴くような不思議な気分にさせられます。また第2
 主題の再現の箇所も夢心地のようなゆったり奏でられ、眠ってしまいそうな位です。
 展開部はドスンと開始。テンポは中庸程度で遅くはないのですがやはりガッシリ感のある
 重厚さが特徴。15:22からの弦楽のフレーズはグッとブレーキがかかりデフォルメが
 エグイほどに示されます。
 クライマックスの箇所もスローモーションを見るような感じで雄大といえばそうですが、
 緊張感はさほどでも無くたっぷりと流れてゆきます。
 終盤も恰幅が良くゆったりとしたものですがやや平板で我慢比べといった趣も。ピチカー
 トが強調されて終えます。

第2楽章 8:37
 開始から意外に普通のテンポですが、幾分重さとしっとり感があり弾力感は控えめです。
 それでも巨艦的な第1楽章のあとでは開放された気分になります。中間部もテンポを
 落とさずにさらりとした表情で淡々と流してゆき自然に語らせています。
 後半は前半同様にロマンティックな表情ですが低弦などは厚く響いています。

第3楽章 10:38
 テンポは通常よりかなり遅いですが、その分個々の音の分離は明快そのもの。弾力感も
 十分にあり、あまり重い感じはせず堂々と巡航してゆきます。
 中盤以降はややオケが走り出す傾向もありテンポは上がってゆきますが、ボリュームが
 上がるにつれてアクセントを強く打ち込みながら歩みます。
 テンポは主フレーズの最終直前で若干溜めを作りますがさほど派手さはありません。
 意外に爆発はしないもののトランペットセクションの張り切りようは面白いです。

第4楽章 13:09
 冒頭から力は入れずに浮遊感のある優しい弦楽の入りが印象的です。
 テンポは遅いものの何とか許容範囲でしょうか。第2主題も繊細でしっとりとした美しい
 語り口で進められますがさほど悲劇的な要素は感じられず、弦楽を艶やかに磨き上げた
 美感と深い呼吸が特徴です。
 クライマックスに向けてはたくましく階段を上り詰めてゆきますが頂点に達してからは
 意外に減衰が早く緊迫感よりも気だるい雰囲気が濃厚。終盤はドスの効いた低弦が物々
 しく響きながら次第に去ってゆくという印象的な終結となります。

58分を超える演奏時間でこの曲としてはバーンスタイン(1986年録音)に匹敵する長さ
ですが表現の徹底振りはこちらが上かもしれません。
とても一般的とはいえないチェリビダッケ独特の特異な表現ですが、スローテンポから
くる普段聴こえない響きや表情はやはりユニークです。
この曲の熱気や激烈さはやや希薄で祈りのように響く箇所が多いのがバーンスタインとは
大きく異なります。

この曲の表現の自由さは指揮者によって多種多用ですね。(各演奏の楽章タイムです。)
カラヤン(1976)    18:24  9:04  8:28   9:59   (華麗な2楽章) 
ショルティ(1976)   17:32   7:46  8:06  9:14  (痛快パンチ)
バーンスタイン(1986) 22:32   8:30   9:51   17:09 (嘆きの第4楽章)
チェリビダッケ(1992) 25:10   8:37   10:38   13:09 (モノクロな第1楽章)

感銘度: A-
5段階( A+ A A- B+ B )に分けています。)
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テーマ : クラシック ジャンル : 音楽

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