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2017.10.20 (Fri)

チャイコフスキー 交響曲第6番 ショルティ&シカゴ響

ショルティ_悲愴1976
レコードでのジャケットです。

チャイコフスキー
交響曲第6番ロ短調op.74「悲愴」

指揮:サー・ゲオルグ・ショルティ
   シカゴ交響楽団

録音:1976.5 シカゴ、メディナ・テンプル
レーベル:LONDON(DECCA)

録音はオケとやや距離があります。アナログ末期の録音でこのコンビの録音として
は残響や量感も十分で迫力があります。テンポもかなり速い設定をとり一般的に
速い印象のあるムラヴィンスキー(1960年録音)よりも各楽章速くなっています。
楽章順に以下のとおりです。
ムラヴィンスキー 17:37 8:07 8:20 9:45
ショルティ     17:32 7:46 8:06 9:14
ショルティ63歳の録音です。

第1楽章 17:32
 冒頭のファゴットソロからテンポはやや速めですが雰囲気に不足はありません。
 音楽が動き出すと加速開始、次第に躍動感あふれる表情になってゆきます。金管の
 入りの箇所も鋭くメタリックに豪快に響き渡ります。
 ヴァイオリンの第2主題はゆったりとしなやかな開始ですがやはりテンポは上がって
 伸びやかに歌います。6:45からの同フレーズの再現も開始からfで強く引き締まった
 表情で凛としています。
 展開部直前のクラリネットからバスクラリネットへの慣例となっているリレーも楽譜
 どおりにクラリネットからファゴットのリレーで再現しています。
 展開部の豪快な表現はこのコンビならでは、テンポの速さも尋常でないですが金管や
 パーカスの凄まじさはこの時代のシカゴ響ならではのパワーとキレが感じられます。
 クライマックスのトロンボーンのユニゾンも粘ることなく轟音を上げながらばく進
 します。

第2楽章 7:46
 テンポは速いです。チェロの主題は十分に張りと勢いがあり雄弁そのもの。明快な
 語り口はセンチメンタルの欠片もなく爽やかに感じるほどですが、音楽には強固な
 芯が感じられます。
 中間部もクールでどんどん流れてゆくので素っ気無い感じもしないではないですが、
 弦楽にはほのかな陰が感じられます。
 後半は前半よりテンポは速く感じられますが、終盤の木管のリレー箇所の辺りでようやく
 落ち着いて終えます。

第3楽章 8:06
 この楽章もテンポは速く常に前へ前へと突き進みます。活力に満ち溢れスピード勝負と
 いった感じもないではないですが、弦楽などややギスギスする位の響きに感じられます。
 後半のトランペット、トロンボーンの上下するリズムなどはバネとパンチのある響きが
 爽快。終盤でテンポを落とす指揮者も多いですがショルティは楽譜に忠実にインテンポ
 でぶっ飛ばし、息つく暇なくたたみ掛けてゆきます。

第4楽章 9:14
 冒頭のヴァイオリンのフレーズから速い流れで強く歌います。ここではショルティの
 「ウッ」とか「ウー」と言う声が5、6回聴こえていて弦楽を強くドライブしている
 様子が感じられます。第2主題以降もテンポは速めで沈み込むような表情は無く、
 一般的な悲嘆的な表現よりは悲劇的なハードさを強く押し出しています。
 クライマックス部分も強い張りのある緊張感を持続、ラストの箇所もさほど弱音を
 意識する感じはなく速めの進行で強い刻印を押すように曲を終えます。

涙に暮れるような音楽ではなく筋肉質で豪腕、ストレートに悲劇性を示したたくましい
「悲愴」です。細かいニュアンス付けはあまり無くがさつに聴こえる箇所もありますが、
感傷的な気分や叙情感を排除した厳しい表現が徹底されています。またロシアのオケ
とは違う響きの豪放さも興味深く、ショルティらしい個性的な録音です。
昔学生の頃はこのレコードとカラヤン(1976年)盤をよく聴いていたなぁ。

感銘度: A
5段階( A+ A A- B+ B )に分けています。)
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テーマ : クラシック ジャンル : 音楽

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