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2017.08.12 (Sat)

ブルックナー 交響曲第3番 カラヤン&ベルリンフィル


昔、新譜が出た時にLPで買いました。

ブルックナー
交響曲第3番ニ短調(1888/89、ノヴァーク版)

指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
   ベルリンフィルハーモニー管弦楽団

録音:1980.9 ベルリン、フィルハーモニー
レーベル:グラモフォン

デジタル初期の録音のせいかオケに近く、マルチ的なバランス傾向で特にトラン
ペット、トロンボーンの音は直接的な響きでギスギスするほどの圧迫感があります。
個々の響きはクリアでパンチも十分ですが、強奏時はあまり余裕がなくどこか
切迫した雰囲気。残響もパウゼでは残りますが全体の音のブレンドは少なめです。

第1楽章 22:04
 テンポは中庸での開始ですが全奏の主題提示は鋭角的で引き締まった響きを聞かせ
 ます。(やや録音の影響も強いですが。)武骨な要素は抑え込まれていてかなり近代的。
 弦楽の響きは滑らかで艶があり、金管はメタリックで威圧的な響きです。全奏での
 豪放感溢れるエネルギーは直接的に響き、そこまでやるかといったような印象も受け
 ますが、もう少しオフで録れていたらもう少し感じは違っていたかもしれません。
 弱音でも構成上の弱さを感じさせることは無く9分前後のホルン、木管辺りなど
 他の指揮者では流れが悪い演奏もありますがカラヤンは隙を見せることはありません。
 静かなフレーズもブルックナーの侘しい雰囲気はほぼ皆無。弱さを見せる無く、芯の
 ある美しい歌を聞かせます。
 11分過ぎや終盤の強奏部はビシバシと鳴りまくるマッシヴ感が尋常でなく巨大な響きで
 圧倒します。

第2楽章 16:27
 冒頭の弦楽フレーズは流石に流麗に響きますが、ここでも金管が入ってくると重厚感は
 一気に増して豪勢な表情。2:30辺りからの静かな箇所もとてもブルックナーとは思え
 ないような艶やかで潤いのある表現はカラヤンらしいところで入念な彫刻がなされて
 います。
 9:10からの低減の入りはテンポを落として重厚な響きます。続くピチカートを伴う
 木管、ホルンのフレーズもしっとりと落ち着き払い冷感が漂います。ホルンソロも
 出しゃばり過ぎずに上品な響き。
 クライマックスに向けてもジリジリと計算された段階を踏みガッシリと足取りで
 壮大な山場を作り上げます。

第3楽章 6:59
 テンポは中庸。主部は勢いと覇気に満ちた表現ですが弦楽のフレーズでは滑らかさと
 スムースさが印象的です。
 中間部は気持ち長めにとられた音符の扱いはローカルな舞曲というよりワルツ的な
 品の良さを感じさせます。また中間部とその前後は長めのパウゼで余裕を持った表情の
 転換を図っています。後半のオケの解放感もやはり豪快です。

第4楽章 11:39
 テンポは中庸で冒頭から先を急ぐ感じはなく、明確なリズム感とスケール感のある表情
 を見せ、続く弦楽フレーズももたれる事はなく豊麗で充実した表情です。
 追いかけの箇所はデフォルメするような事はなくキレ良く一気に流れる強靭な音響。
 その後の静かな箇所では一転してゆったりと静まり返ります。
 8分過ぎのチェロのフレーズ、また続くヴァイオリンの穏やかなフレーズと雰囲気の
 ことなる表情もそれぞれしなやかな流れを持って奏でられます。
 終盤の主題再現は金管を中心に鳴りまくるといった印象で豪快で耳が痛いほど。また
 ラスト近くの三連符のアクセントもティンパニなど意識されていないようでさらりと
 流していて流れ重視のようです。終結部は圧倒的な響きを持って締めくくります。

全体に録音のバランスが普通とはいえませんが、パワフルな金管を中心に強力な音響と
キレで聞かせる演奏といった感じです。ローカルなブルックナーの姿は見えず隙のない
立派な表情とベルリンフィルの凄味ばかりが耳に残りますが、引き締まったたくましい
表現には爽快感があります。
カラヤンが枯れる直前の頃だと思いますが勢いのある演奏です。

感銘度: A
( A+, A,  A-, B+, B )
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テーマ : クラシック ジャンル : 音楽

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