2017年11月 / 10月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫12月

2017.04.22 (Sat)

桐朋アカデミー・オーケストラ 第54回定期演奏会

ナビル・シェハタ
ナビル・シェハタ
藤原浜雄
藤原浜雄

桐朋アカデミー・オーケストラ 第54回定期演奏会
2017.4.21 富山市、オーバード・ホール

ヴァイオリン:藤原浜雄
指揮:ナビル・シェハタ

(プログラム)
オール・ベートーヴェン
 レオノーレ序曲第3番op.72b
 ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.61
 交響曲第7番イ長調op.92

昨年金沢市でナビル・シェハタ指揮、新日本フィルハーモニーのホルスト「惑星」の
公演を聴く機会があり、オーケストラを強くドライヴして若々しく明快な響きを
聴かせる方という印象を持っていたのですが、桐朋公演に登場とは少々驚きでした。
24歳でベルリンフィルの首席コントラバス奏者となり6年間務めていたそうですが、
昨今は指揮者としての活動が多いそうです。現在37歳。

今日の編成は10型。対抗配置でコントラバスは左手に4本、通常の2管編成です。

レオノーレ序曲第3番op.72b
 冒頭からやや不安定な感じでヴァイオリンの主題が入ってからようやく調子が出て
 きたような感じ。この指揮者らしい躍動感はあるもののやや軽いかなという印象で
 もう少し重厚さがあってもと思いました。ただ舞台裏のトランペットやフルートソロは
 安定したものでしたし、終盤の弦楽の急速な掛け合いの箇所は鮮やかなアンサンブル
 を聴かせていました。

ヴァイオリン協奏曲ニ長調op.61
 桐朋公演のプログラムで協奏曲のソリストは教授が担当する場合が多く、今回も重鎮的
 な存在の藤原浜雄さんが登場。2012年まで読売日本交響楽団のソロコンマスを務めて
 いましたが今年70歳。定番の曲とはいえ長丁場で心身ともに体力の要る曲だけにどんな
 演奏になるか少々心配な気もしていました。

 第1楽章は序奏からシェハタさんのテンポはやや速め。オケの方もかなりボリューム感の
 ある響きでティンパニなどもやや強めに効かせる今時のスタイル。
 ヴァイオリンソロは背筋がキリリと通るような端整さで余計なものは付け加えないと
 いった雰囲気が漂います。私はこの方の他の演奏は聴いたことがないのですが若い頃から
 こんな感じだったのでしょうか。速いフレーズなどではピッチなど気になる箇所もない
 ではないですが実演の範囲内。伸びやかさよりも内に向かうような表現です。
 カデンツァはクライスラーのものですが軋むような激しい響きが印象的。
 第2楽章は落ち着いたテンポ感の中でやや細身の透明感のある響きが印象的。
 ピチカート伴奏の箇所でも美しい響きが聴かれました。
 第3楽章もヴァイオリンの主題が渋く格調高く響きます。華のある演奏ではありません
 が真摯さやひたむきさが伝わります。終盤でのカデンツァも力のこもったもので見事な
 表現でした。

交響曲第7番イ長調op.92

 第1楽章、冒頭は随分とたっぷりとした音価をもって開始します。音楽が走り出す
 まではややレガートな響きが聴かれますが、加速すると流石に弾力感のある響きが
 聴かれます。前曲で良かったティンパニもこの曲ではやや固めのマレットに交換して
 いるようで強い打撃が躍動感を増しています。全体に速いフレーズでは勢いがあって
 良いのですが弱音の箇所になると、管楽器セクション(ホルンなど)に不安定さや
 アンサンブルの粗が出てしまうのは少々残念なところです。

 第2楽章もシェハタさんはさほど神経質にはならず太く厚めに響かせます。テンポは
 中庸ですがインテンポ調で淡々としたもの。木管セクションのフレーズにはもう少し
 一体感のある歌があっても良いかなと思います。

 第3楽章はフィナーレを想起させるキレの感じられるもので手際の良い表現。
 中間部の木管も結構なボリューム感があって良い感じでしたが、高揚したところで
 響き渡るはずのトランペットが腰砕け状態、どうしたのでしょうか。

 第4楽章は素晴らしく気迫に満ちた表現。テンポはかなり速めの設定できしむように
 鳴り響く弦楽はスリリング。編成は決して大きくないですがアグレッシブな表情は
 この指揮者らしさが感じられました。何より凄かったのはティンパニで高速テンポを
 常に強打で叩きまくる様はまるでロックのドラムといった迫力で素晴らしかったです。
 (一方終盤のトランペットはやはり音量が足りなく惜しい。)

この曲は終わり良ければといった感じなので結構楽しめましたが、細部よりも勢いに
任せてしまった感もしました。6月の公演にまた期待したいと思います。

関連記事

テーマ : クラシック ジャンル : 音楽

01:56  |  富山・金沢の演奏会を聴く  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

*Comment

コメントを投稿する

URL
COMMENT
PASS  編集・削除するのに必要
SECRET  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

*Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://bestclassic.blog97.fc2.com/tb.php/805-c116e784

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP |