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2017.04.04 (Tue)

ワーグナー 管弦楽集 若杉 弘&ドレスデン・シュターツカペレ

若杉_ワーグナー

ワーグナー
管弦楽集
1.歌劇「さまよえるオランダ人」序曲
2.歌劇「タンホイザー」序曲
3.歌劇「リエンツィ」序曲
4.歌劇「ローエングリン」第1幕への前奏曲
5.歌劇「ローエングリン」第3幕への前奏曲

指揮:若杉 弘
   ドレスデン・シュターツカペレ

録音:1984.12.17-21 ドレスデン、ルカ教会
レーベル:SONY

録音はこのオケといえばルカ教会になりますが、この録音でも豊かな残響とボリューム感
のある音響になっています。オケは弦楽が近く金管はやや距離がありますがホールの響き
を伴ってワーグナーに相応しい分厚い響きを聴かせます。ただ強奏部ではやや高音が硬直
する傾向があり、高弦やシンバルがやや耳障りになる箇所もありますがメリハリの強さと
スケール感のある録音です。若杉さん49歳、常任指揮者のポストであった時の録音になり
ます。

歌劇「さまよえるオランダ人」序曲 11:05

 冒頭からやや速めのテンポで開始、主題のホルンセクションは雄渾に厚く鳴り響きます。
 メリハリの効いた切れ味の鋭い進行でティンパニのアクセントも威力があります。
 解釈自体は大仰に構えるようなことはありませんが、強奏部の勇ましい鳴り方は当時
 のこのオケらしいパワフルさと剛直さがよく感じられます。緩徐部ではイングリッシュ
 ホルンのソロなども上手いもので各木管奏者がしっとりと歌い上げています。
 終盤も弦楽の勢いのある無窮動の上昇フレーズ以降、やや速めのテンポ設定で引き締
 まった表情と豪快な主題の高揚は図太く豪快に響き渡ります。

歌劇「タンホイザー」序曲 15:27

 弱音での開始フレーズでは木管群とともにホルンの柔らかい響きが全体を包みこむ響きが
 個性的です。(ホルンはおそらく首席のペーター・ダムだと思われます。)
 トロンボーンのユニゾンは少々ラフな感じですが、バックの弦楽のリズム音形はかなり
 ガッチリと強調されるのが印象的です。(やや録音で強調されている面もありますが)
 中間部では弦楽をややレガート気味に鳴らしてボリューム感のある響きと生き生きと
 した表情を作っています。テンポは中庸で基本的に率直ですが明快な表現です。
 終盤もオケの高揚が強力でドイツ式トロンボーンの強奏は独特の威力が感じられ、また
 ホルンセクションも対抗するようにうなりを上げる様は実に逞しく響き渡ります。

歌劇「リエンツィ」序曲 12:17

 開始からテンポはやや遅めで入念で深い響きが感じられます。弦楽の主部フレーズの入り
 も落ち着きと優しさが感じられる語り口が美しいもの。次第に緊張感が増してゆくところ
 もじっくりと隙が無く確固とした足取りで金管の入りも堂々たるスケールと恰幅の良さが
 なかなかです。
 中盤以降は中庸のテンポ設定で流れは良くなり勢いも増してゆきます。終盤の高揚も
 躍動感のある金管の開放が爽快で高らかに鳴り渡るトランペットの響きが印象的です。

歌劇「ローエングリン」第1幕への前奏曲 9:17

 テンポはやや速めで弦楽はしなやかに流れます。あまり情に流されるような事は無く、
 さらりとした感触ながらも録音の傾向で高弦の響きはやや硬質な感じもないではない
 ですが清らかな雰囲気は十分に漂います。
 中間部での高揚も強いアタックを効かせシンバルが刺激的に響き劇的な表現を聴かせ
 ます。終盤も前半同様に凛とした響きで清らかに締め括ります。

歌劇「ローエングリン」第3幕への前奏曲 2:59

 開始からハツラツとした起動の速いスタートです。主旋律をとるホルンやトロンボーン
 セクションは分厚く豪快に鳴り渡ります。
 中間部もクリアな木管楽器の伸びのある歌が爽やか。後半も重低音を効かせる金管の
 豪放的な音響が強力に響き、勢いのある表情を作り上げています。

録音がされた頃はまだ東西ドイツ時代でオケの響きもまだ現代のように洗練されてなく
味があります。(この頃の首席指揮者はブロムシュテット)この録音でもややワイルドな
位の躍動感と図太いオケの響きが聴かれます。
若杉氏の解釈は率直な表現で無理はありませんが、曲を真正面から捉えていて堂々たる
ワーグナーを作り上げています。もう少し録音が良ければとも思いますが、思いのほか
良い演奏だと思います。

若杉さんの実演は学生時代に名古屋で一度だけ聴いたことがあります。(1985年11月)
京響との演奏でメインはブルックナーの交響曲第4番だったのですが、その頃はまだ
珍しかった第1稿での演奏で今も記憶に残っています。

感銘度: A
( A+, A,  A-, B+, B )
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テーマ : クラシック ジャンル : 音楽

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