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2017.03.05 (Sun)

ドヴォルザーク 交響曲第8番 ジュリーニ&シカゴ響

ジュリーニ_ドボ8_1978

ドヴォルザーク
交響曲第8番ト長調op.88

指揮:カルロ・マリア・ジュリーニ
   シカゴ交響楽団

録音:1978.5 シカゴ、オーケストラホール
レーベル:グラモフォン

録音はこのホールでの録音としてはDECCAのものよりも残響が感じられます。
ティンパニはもう少しクリアさがあればとも思いますが、全体に遠近感も十分で
スケール感もあり、アナログ末期の良い録音だと思います。
ジュリーニの唸りも随所で聞こえてきます。

第1楽章 10:50
 冒頭から甘くなり過ぎることはなく落ち着いた端正な開始です。フルートソロ後、
 テンポが上がる箇所からはチェロセクションを豊かに鳴らした表現にハッとさせら
 れます。テンポはやや遅めですが弱音でのしなやかな表現は当時のショルティでは
 出せない感覚です。各楽器の明快な響きはオケの特色でもあるかと思いますが、
 流石で細部までカッチリとよく鳴らして歌わせてゆきます。
 強奏部ではやはりシカゴ響らしいバーンと鳴る金管はいかにもといった感じですが、
 力ずくにはならずに開放感と余裕があります。

第2楽章 11:27
 テンポは遅めで冒頭から穏やかさよりはどこかおごそかな雰囲気が漂います。
 間の取り方や進行も余裕があり落ち着いています。ヴァイオリンソロ以降の高揚
 してゆく箇所も実に堂々たる表情で金管につないでゆき格調の高い仕上げです。
 ホルンの悲劇的な咆哮やその後の牧歌的な歌や憂愁さを覚える切ない曲想など
 次々と変遷して表情のまとまりが難しい楽章ですが、どの箇所もじっくりと示して
 いて安っぽくならないのが良いかと思います。ラストも低弦とホルンをたくましく
 太く響かせています。

第3楽章 6:50
 テンポはやはりやや遅め。一般的に流麗でロマンティックで甘い歌が聴かれますが、
 ここではかなり重心の低い表現で腰の重さを感じる重厚さに特色があります。
 テヌート、レガート調の表現は粘りがあり聴く人好みが分かれそうですが、太く
 ゆったりと流れる音楽は安っぽくなくて独特の心地良さが感じられます。
 中盤の低弦のリズムも実に明確な響きで終盤も木管金管ともにガッシリと鳴らして
 います。

第4楽章 10:39
 冒頭のトランペットは意外に落ち着いたバランスのとれたもの。続くチェロのフレーズ
 も開始に溜めを作ることなく端正な表情です。
 全奏でテンポが上がる箇所もテンポはやや遅めでお祭り騒ぎといった感じはなく重厚さ
 に重きが置かれていてややヨッコラドッコラショといった感じもなくはないですが
 その分強奏部でも細部まで明確に動きが聞き取れます。
 勢いに任せることなく、また吹き飛ばすこともない表情はよくコントロールが効いて
 いますがやや丁寧過ぎるかなとも思います。また中盤の緩徐部は中庸のテンポながらも
 バックで鳴るファゴット辺りが表情豊かに良く歌われているのが印象的です。
 終盤の懐かしい雰囲気も淡い響き。ラストはさほど加速せずに太いタッチで全体を
 まとめ上げています。

ドヴォルザークらしい民族性は希薄で純音楽的な解釈で進められていますが、細部まで
丹念に彫刻された表現です。晩年のコンセルトヘボウとの録音(1990)ではさらに表現が
重くなりますが、この演奏では適度な重厚さと歌の感じられる表現です。

感銘度: A- 
( A+, A,  A-, B+, B )
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テーマ : クラシック ジャンル : 音楽

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