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2017.02.17 (Fri)

チャイコフスキー 交響曲第4番 ザンデルリンク&ベルリン響

ザンデルリンク_チャイ4
チャイコフスキー
交響曲第4番へ短調op.36

指揮:クルト・ザンデルリンク
   ベルリン交響楽団

録音:1979.6.7-9,12 旧東ベルリン イエス・キリスト教会
レーベル:DENON

録音は当時の日本コロンビアがPCM機材を持ち込んで録音したもの。イエス・キリスト
教会というとカラヤン&ベルリンフィルが思い浮かびますが、こちらは同名の旧東ドイツの
教会で音響も異なります。適度な残響はありますがオケは弦がやや近く、金管はやや遠く
に位置している感じで間接的な響きの要素が多めです。PCMデジタルなのでクリアです
が音質としては幾分硬さが感じられます。

第1楽章 20:43
 冒頭のファンファーレ句は気合の入ったものでホール(教会)が響くこともあり豪快に
 鳴ります。主部の入りも沈静した空間からさらりと率直な語り口で開始。オケの表情は
 音色的にもやや武骨さを感じるもので洗練や流麗とは遠い感じですが、フレーズの強弱
 には微妙な変化が感じられます。
 5:50からのクラリネットのフレーズ辺りも少々ひなびたローカル的な雰囲気が印象的。
 8:33の金管が入ってくる強奏部も慌てることなく堂々たるテンポで重心の低い音響を
 聴かせます。まだ東ドイツ時代なのでホルンセクションの響きはロシア調で滑らかさと
 ほの暗さがよく感じられます。
 高揚する箇所でもけたたましく発散するよりは落ち着きや重厚さに傾斜していますが、
 要所ではガツンと効かせています。
 終盤も必要以上にテンポを動かすことも見得を切ることもありませんが緊張感を持って
 堂々と締め括ります。

第2楽章 10:11
 テンポは中庸、インテンポ基調でオーボエソロも淡々とした進行ですが、素っ気無い
 感じはなく自然な哀愁が漂ってきます。また弦楽はほの暗く太い芯のある響きで聴か
 せます。4:12からの木管(クラリネット)のフレーズからはややゆったりとテヌート調
 の表情が印象的。以降の弦楽が絡む高揚ももったいぶるような所が無くストレートに
 大きく膨らんでゆきます。
 弦楽をしっかりと鳴らした真摯なスタイルで飾らないものですが終盤は荒涼とした
 風景が確かに感じられます。

第3楽章 5:59
 テンポは中庸か若干遅めです。ピチカートのアンサンブルも落ち着いた温かみの感じ
 られるもので低弦から高弦までよく揃います。
 中間部もやはり幾分遅めでカッチリ系の表情ですがローカル的な木管の音色が素朴に
 響きます。後半はどこかおどけた楽しげな感じが伝わる表現です。

第4楽章 9:06
 テンポは中庸であまり急迫する勢いはありませんが豪快に響きます。やや弦楽がマイク
 に近いバランスのせいか強奏では弦楽が主体となってギシギシと鳴って迫ってきます。
 トランペットやトロンボーンは頑張って吹いていますがやや距離があり残響と共に響く
 感じでトロンボーンはややオルガン的です。
 音符を明確に鳴らしてゆくタイプで奇をてらうようなところもなく自然体な姿勢で無理
 がありません。冒頭主題の再現部も率直で端正な回帰。
 終盤のテンポも安定したもので幾分加速しますが妥当的で堂々たる終結となります。

この曲ではテクニックや力技で聴かせる演奏も多いですが、この演奏は燻し銀的な
渋い演奏で通しています。オケはあまり器用とはいえない感じですが旧東ドイツの響き
を残していてほの暗い音色に味があります。

感銘度: A- 
( A+, A,  A-, B+, B )
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テーマ : クラシック ジャンル : 音楽

23:25  |  チャイコフスキー  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

*Comment

学生時代にブラームス4番の名演で安いのを探したら、LP廉価版1000円でザンデルリンク&ドレスデン(70年代最初)を買いその後もブラ4の愛聴盤になっています。90年のベルリン響全集やベートーベン・ピアノ協奏曲全集(内田光子)も時々聴いております。
幸いな事に最後の来日の最終公演(90年2月7日・サントリーホール)、読響とのブラ1を聴いております。堂々とした演奏もさることながらテンポの揺れが大きくそれに一生懸命ついていく読響の姿と初めて聴く大変ロマンチックなブラ1に感動したものです。
チャイコとは関係なかったですがザンデルリンクとの思い出でした・・・
ぐちやま |  2017.02.20(月) 14:25 |  URL |  【コメント編集】

■Re: タイトルなし

ぐちやまさん

まだまだ寒いですね。
ザンデルリンクの実演、聴いておられるのですね、いいですね。
70年代のブラームスは持ってないのですが、90年のベルリン響との全集や
内田光子さんとのベートーヴェンは私も持っています。
特にベルリン響との全集は相当テンポが遅いですが、これまた非常に渋い
演奏で味わいがありますよね。
70年代のブラームスも入手して聴いてみたいです。

越中富山 |  2017.02.20(月) 22:33 |  URL |  【コメント編集】

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