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2017.02.04 (Sat)

ドビュッシー 交響詩「海」 ミュンシュ&パリ管

ミュンシュ_海1967

ドビュッシー
交響詩「海」
(管弦楽のための3つの素描「海」)

指揮:シャルル・ミュンシュ
   パリ管弦楽団

録音:1967.11.14 パリ、シャンゼリゼ劇場(ライブ)
レーベル:Altus

パリ管弦楽団、発足記念演奏会でのライブ録音。
当日のプログラムは、
 ベルリオーズ:幻想交響曲
 ドビュッシー:海
 ストラヴィンスキー:レクイエム・カンティクルス の3曲。

録音年代は古いですが音質は非常に生々しくクリアそのものでライブの熱気をよく
伝えています。録音はオケに近く残響は少ないですがオケの分厚い響きは圧倒的で
聴き応えがあります。

1.海の夜明けから真昼まで 9:40
 開始のテンポはじっくりと腰のすわった遅い進行で何かを予感させるような感があります
 が主部に入ると一転急加速。フレーズ毎に緩急の幅を極端なほどにつけたテンポ設定には
 かなり驚かされます。箇所によってはギクシャクするほどですが強い主張を聴かせます。
 チェロの4分割される箇所(楽譜上は16人必要ですが実際は通常は10人程度で演奏)も
 人数は不明ですが張りのある分厚い響きが印象的。その後も緩徐部の粘着感や躍動的な
 箇所での開放感は自由さに満ちています。
 終盤でのテンションの高さも尋常ではなく金管やパーカス(特にシンバル)の豪快さは
 唖然とするほどで楽譜にないアッチェレまでかかります。

2.波の戯れ 6:37
 テンポは速め。閃きの感じられる情熱的な語り口でリズムの切れ味やメリハリの付け方
 は相当なもので、別の曲を聴くような感じさえします。
 中盤辺りでもテンポは急迫する場面があり驚かされます。ミュンシュは指揮のたびに
 テンポが変わることでも知られていましたが、即興的な感じもしないでもないです。
 終始ハツラツとした響きが強烈で終盤になってようやく落ち着きが感じられます。

3.風と海の対話 7:58
 冒頭からの威圧的とも言える低弦などの重厚さは何かを予感させます。トランペットの
 ソロ句も叫ぶような響きで緊迫感十分。直後のティンパニの打撃、休止の箇所では、
 ミュンシュが「ウァー」と大声で叫んでいます。(怖い!)
 その後もテンポは速く筋肉質の筋張った音響に驚かされます。
 3:30頃からのホルンのフレーズで落ち着きが感じられますがバックに流れる弦楽の鋭さは
 やはり強烈で低弦のピチカートもバルトーク的。
 4:35からの高弦、フルート、オーボエでの深遠な響きの箇所も張り詰めた緊迫感が支配
 します。ラストに向けてはテンポの加速が強烈でひたすらたたみ掛けてゆき、金管の
 フレーズもスケール感よりは疾走する勢いがもうどうにも止まらないといった感じで
 引きつったような豪快な響きで締め括ります。

海の描写というよりは大嵐のような感情の爆発といった感じ。荒れ狂うミュンシュの指揮
が思い浮かぶような度肝を抜かれる演奏です。
この頃のパリ管(パリ音楽院管)というとアンサンブルがラフなイメージもありますが、
発足演奏会ということもあり気合が入った演奏となっています。
通常のこの曲のイメージとはほど遠いですが痛快で圧倒的な表現が素晴らしいです。
並録の幻想交響曲も有名なセッション盤以上に強烈な演奏です。

感銘度: A 
( A+, A,  A-, B+, B )
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テーマ : クラシック ジャンル : 音楽

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