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2016.12.17 (Sat)

ラフマニノフ 交響的舞曲 オーマンディ&フィラデルフィア管

オーマンディ_交響的舞曲
ジャケットはラフマニノフとオーマンディ。

ラフマニノフ
交響的舞曲op.45

指揮:ユージン・オーマンディ
   フィラデルフィア管弦楽団

録音:1960.3.19 フィラデルフィア、タウン・ホール
レーベル:SONY

交響的舞曲はラフマニノフが作曲した際(1940年)に指揮者オーマンディとフィラデル
フィア管弦楽団に献呈していますが、ラフマニノフよりも26歳年下のオーマンディとの
信頼関係がいかに深かったことを示していると思います。
初演者でもあるオーマンディとフィラデルフィア管弦楽団のコンビによる初演から22年後
の録音。オーマンディ初演時40歳、この録音は61歳の時のものです。

録音はオケにやや近く弦楽を中心に録られていて低音も厚みがあります。残響はさほど
積極的には入っていないですがデッドというほどでもありません。
ややヒスノイズがあったり、もう少しティンパニなど打楽器が鮮明に録れていればとも
思いますがさほど問題は無く、年代にしては良い音だと思います。

第1楽章 11:11
 テンポは中庸。安定感のある開始で弦楽など低音は厚く響き、またコントラファゴットの
 響きも重厚に聴こえてきます。端正な進行ですが2:10頃に楽譜には書かれていない
 ピアノによる半音階の上昇、下降が2回繰り返されます。これば楽譜には無くオーマン
 ディによる独自の改訂です。
 アルトサックスのソロはクラリネット奏者として有名なドナルド・モンタナロ(1957 ~
 2005 フィラデルフィア管弦楽団在籍)が担当。かなりチリメン的なヴィブラートが
 かかったソロですが軽めの感触で艶やか、スマートに流してゆきます。
 オーマンディの指揮も意外に率直なものでロマンティックになることなく颯爽として
 います。

第2楽章 9:32
 開始の金管は楽譜上fの指定ですが控えめの音量で荘重な響きで入ってゆきます。
 このワルツもあまり甘くなることはなく、やや速めのテンポで奏でられてゆきますが、
 ヴァイオリンや木管(オーボエ、フルート)の各ソロは流石にこなれた表情で上手く、
 明快に聴こえてきます。木管と絡みながら高揚してゆく弦楽器セクションも厚みの
 ある音で応えていてフィラデルフィアらしい響きといえます。
 もう少し濃厚さがあってもと思いますが、初演時に2楽章のリハでオーマンディの
 指揮に痺れを切らしたラフマニノフがオーマンディを押しのけて指揮を示したとの.
 エピソードもあるとのことなので、この解釈がラフマニノフの意図したものに近いの
 かもしれません。

第3楽章 13:16
 テンポは中庸。2分位の弦楽のフレーズでの強いアクセントや4分位のヴァイオリンの
 グリッサンドなど効果的に示されています。
 解釈自体は端正で強い主張はないものの、躍動感に不足はありません。
 トランペットのフレーズでは付点音符の扱いをやや長めに吹かせています。
 中間部でも必要以上に沈み込んだり神経質になることなく、太い芯を備え雄弁に
 進行。弦楽のフレーズも曖昧さのないくっきりとした輪郭が印象的です。
 終盤はもう少し激しい盛り上がりがあってもとも思いますが、カッチリとした端正さで
 まとめ上げています。ポコメノモッソ(やや遅く)の箇所もさほどテンポは落ちずに
 流れ重視といった傾向。
 ラストのドラの処理は最終小節内にドラの響きを収めていて、特別にドラが残る感じ
 はしません。ドラだけが極端に長く残る演奏も多いですがラフマニノフが望んだ形は
 このようなものだったのかもしれません。

全体には特に派手な演出がある訳でもありませんが、端正な表情の中にも滋味深さ
やフレーズの扱いが他の演奏とは異なる箇所があります。
改訂を加えることがわりと多いオーマンディですが、この曲の初演者としてラフマニノフ
から直接伝えられていることも多いと思われ興味深い演奏となっています。

感銘度: A-
5段階( A+ A A- B+ B )に分けています。
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テーマ : クラシック ジャンル : 音楽

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