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2016.11.05 (Sat)

マーラー 交響曲第1番 テンシュテット&ロンドンフィル

テンシュテット_マラ1_1977

マーラー
交響曲第1番ニ長調「巨人」

指揮:クラウス・テンシュテット
     ロンドンフィルハーモニー管弦楽団

録音:1977.10.4-5 ロンドン、アビーロード第1スタジオ
レーベル:EMI

録音は1977年の録音ですがヒスノイズがあり、質感もあまり良いとは言えません。
また随所でバスドラやティンパニの強打は音が潰れていて、当初からなのか編集の
悪さなのかかなり残念です。ただアビーロードスタジオの録音にしては残響が豊かな
ものとなっていてボリューム感はあります。
テンシュテット51歳、録音歴では初期のものになります。

第1楽章 15:58
 冒頭からゆったりとした開始。木管やホルンの息の長いフレーズは滑らかに歌われ、また
 クラリネットのカッコウの響きやトランペットの遠方からのフレーズはキレの良い躍動感
 が感じられます。
 主部になるとテンポはやや速め、音色も明るい色調での進行。強奏部も張りのある表現で
 押しの強さも感じられます。また9分台でのチェロのフレーズ辺りは十分な落ち着きが
 あり、自然な呼吸感でのテンポと表情豊かな音楽作りといえます。
 頂点に向けても盛り上げに力感と勢いが十分ですが、パーカスの音が飽和しているのは
 やや興ざめ。演奏自体は悪くなく、ラストは急激なスピード感をもって終えます。

第2楽章 7:51
 テンポは中庸ですが、低弦のアクセントや全体の躍動感は十分で活力に満ちています。
 トリオはくどくなることはありませんが、微妙な緩急付けが感じられしなやかな雰囲気
 のある歌を聴かせます。ピチカートもよく効いています。
 後半もホルンセクションが豪快に良く鳴って厚く響かせます。

第3楽章 10:47
 冒頭のティンパニのリズムはやや強調されています。コントラバスからのソロ自体は
 端正なものですが、録音のせいかどこか落ち着きがない感じがもします。
 オーボエとトランペットの掛け合い以降は、トランペットのフレーズがかなり強調されて
 いて、緩徐部はフレーズの受け渡しでテンポは結構揺れます。中間部のノスタルジーな
 箇所ではさほど神経質になる事は無くハープが強く響く中、朗々としっかりと歌い上げて
 ゆきます。後半はかなり緩急の差を付けているのが印象的でパロディ的な気分も色濃く
 示されています。

第4楽章 19:17
 冒頭からバスドラ、ティンパニの音が崩れるのは痛いですが、演奏自体は激しく鼓動し、
 豪快そのもの。トランペットやホルンの響きも強力です。
 第2主題でのヴァイオリンは落ち着いた呼吸感の感じられる表現でしなやかに良く歌い
 上げていて、一体感のある滑らかな高揚を示しています。
 中間部の強奏部は腰の強い響きと厚い響きでの進行が印象的。またホルンのユニゾン
 でのフレーズはやや音価を短めにして鳴らすのがユニーク。
 後半の緩徐部では弱音と繊細さの感じられる入念な表情となっています。
 終盤はヴィオラの入りから鋭さが感じられ次第にテンポアップ、切迫して強奏部になだれ
 こんでゆきます。ぶ厚いホルンセクションをはじめとしてやや粘り腰での強力な響きを
 聴かせます。コーダでは強いアッチェレがかかりキレの良い締めくくりとなります。

全体に録音状態で損をしている感じがしますが、演奏自体は曲の多彩な場面や要素が
濃厚に表現されていてテンシュテットの特徴が感じられます。後年のシカゴ響の録音とは
傾向は違いますがこの曲の特色が良く示されています。

感銘度: A-
5段階( A+ A A- B+ B )に分けています。
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テーマ : クラシック ジャンル : 音楽

01:11  |  マーラー 交響曲第1番  |  TB(0)  |  CM(4)  |  EDIT  |  Top↑

*Comment

こんばんは。
今日は暖かい一日でした。
テンシュテットのマーラーはとかく録音の悪さが言われますね。1番も低音が膨らんでしまって歪んでしまっているのが残念です。
演奏も都会的で立派ですが、何だか病んでる感が強いように感じてしまいます。
七味とうがらし |  2016.11.05(土) 19:39 |  URL |  【コメント編集】

■Re: タイトルなし

こんばんは

病んでいる感というのは面白いですね。確かにそんな
感じもします。作為的ではないのだけどどこか分裂した
雰囲気が漂いますね。

今月27日に金沢で西本智実とエルサレム交響楽団が
来て、マーラーの5番を演奏するのですが、
ついついマーラーにつられてチケット買ってしまい
ました。どうかなぁ。。。




越中富山 |  2016.11.06(日) 00:14 |  URL |  【コメント編集】

こんにちは。
秋から年始にかけて富山では国内外のオーケストラの演奏会が
目白押しですね。しかもそこに金沢でのエルサレム交響楽団が
割って入ってきました。私もこれは行きたいと思っていますが、
仕事柄行けるか行けないかいつもギリギリになります。
因みに来春の東芝グランドコンサートは金沢での開催が外れています。
やはり集客に難があるのでしょうか。
北ドイツ放送交響楽団というので楽しみにしていましたが残念です・・・
ぐちやま |  2016.11.11(金) 12:45 |  URL |  【コメント編集】

■Re: タイトルなし

こんばんは

西本さんの公演は別にファンではないのですが意外にチケットが
安く(通常とは席割りが異なり芸能人みたいに指揮者に近いほど
高い)、2階席の前列などはいつもB席扱いになっていますね。

エルサレム響は、マーラーの5番目当てですが、何年か前に西本
さんはロイヤルフィルが来日した際にもツアーでこの曲を演奏
していて東京での公演がCD化されています。
そのCDは聴いたことは無いのですが、あまり評判は芳しくない
ようです。ただ西本さんはこの曲が好きなそうで再度取り上げる
ことらしく期待したいところです。
ドヴォコンも生は久し振りです。

東芝グランド、金沢無いですね。
Rシュトラウスの「ツァラ」とかプログラムにあって残念です。
東芝自体がスポンサーとして苦しいのかも。

来週末は桐朋オケ聴きに行きます。
この秋、2回目の「巨人」です。エルサレム響もあり、
今月はマーラー月という感じです。

N響はどうしようかなぁ。お金も無いので。。。。
越中富山 |  2016.11.12(土) 01:26 |  URL |  【コメント編集】

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