2017年11月 / 10月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫12月

2016.11.02 (Wed)

マーラー 交響曲第1番 アバド&シカゴ響(1981)

アバド_巨人1981

マーラー
交響曲第1番ニ長調「巨人」

指揮:クラウディオ・アバド
   シカゴ交響楽団

録音:1981.2 シカゴ、オーケストラホール
レーベル:グラモフォン

録音はオケと適度な距離があり、同じシカゴ響でもショルティとの一連録音(DECCA)
で聴かれる直接的な響きよりは空間に余裕があります。ダイナミクスの幅はかなり広い
ですが、デジタル初期のせいか弦楽など少し響きが薄く硬質に響く感じがします。近年
再発売されている同録音のCDでは良くなっているかもしれません。
アバド48歳の録音になります。

第1楽章 16:15
 冒頭の弦楽のフラジオレットは他の録音とはやや違い低弦の響きがしっかりと鳴っていま
 す。チェロやコントラバスは各パートが3つに分かれるのですが、一番下の音をかなり
 厚く鳴らし重層感が強調されています。主部に入ってからは流れは良く、しなやかな
 旋律と張りのある表情が爽やかです。
 緩徐部では楽器間のバランスにも精緻さが感じられ、また弱音の扱いが徹底されていて
 終盤の高揚とのダイナミクスの幅が大きくとられています。
 強奏部はこのオケらしい引き締まった開放感とテンポ感が爽快で終結部は急速なテンポで
 一気に突き抜ける勢いが感じられます。

第2楽章 7:11
 テンポはやや速め。くっきりと快活な響きと鋭さを備えた躍動感が感じられます。特に
 弦楽やホルンなどは覇気あふれる若々しい演奏です。
 トリオも速めのテンポでの進行ですが、弦楽のグリッサンドも良く効いてますし緩急も
 滑らかで味気ない事はありません。時折、アバドの「ウッ」という声も聴こえてきます。
 ラストはやはり一気に追い込んでトランペットの強烈なトリルを見せて豪快に終えます。

第3楽章 10:52
 冒頭のコントラバスはわびしい雰囲気で良く歌われて味わいがあります。呼応する木管
 (オーボエ、クラリネット)のフレーズは短めに処理されて対比がされます。
 オーボエとトランペットの掛け合いでは滑らかではありますが、ピチカートなど
 明確な響きが感じられ芯のある表現を聴かせ、また中間部のノスタルジックなフレーズ
 ではハープを伴うヴァイオリンが繊細に歌われ、淡い色調で美しく表現されています。
 後半も明快な表現でパロディ的要素はテンポ感と共にクラリネットの強い音色にも
 示されています。

第4楽章 19:44
 冒頭からのオケの威力は流石シカゴ響らしい豪快な響きで曲想に相応しい鋭さと機動力
 を備えていて申し分ないです。
 第2主題のヴァイオリンは落ち着いた丁寧な運びですが、フレーズ終盤の高揚では速め
 のテンポで引き締まった勢いと強い抑揚を聴かせます。
 中間部の展開部も金管の鳴り方はやはり尋常では無いですが、ショルティほどメカニック
 にならず伸びやかさが感じられます。
 後半の緩徐部も丹念な歌で弦楽はしなやかで透明感のある響きが印象的。
 終盤でのオケの開放はどう聴いてもシカゴの金管の音で圧倒的。言う事なしです。
 (ホルンに負けないトロンボーンの鳴り方も印象的です。)
 ラストはややアッチェレをかけますが、すっきりとした響きで締め括ります。

全体に若々しく気力に満ちた爽快な演奏ですが、暗部もマーラーのほのかな匂いが漂い
ます。終始覇気としなやかな歌が感じられ、パワフルなシカゴ響の高い表現力と共に
十分に発揮された録音だと思います。

感銘度: A
5段階( A+ A A- B+ B )に分けています。
関連記事

テーマ : クラシック ジャンル : 音楽

00:31  |  マーラー 交響曲第1番  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

*Comment

こんばんは。
めっきり寒くなりました。
マーラーの1番、続いてますね。アバドのマーラーはこの1番に限らず、音の数が多いですね。整理されてないと言ってしまえばそれまでなのですが・・・。たしか後年BPOとも録音しているかと思いますが、こちらのCSO盤のほうがアバドらしさが溢れているように感じています。
七味とうがらし |  2016.11.03(木) 19:41 |  URL |  【コメント編集】

■Re: タイトルなし

こんばんは
寒いですね、富山生まれですが冬は苦手です。
家の周りが田んぼや畑なのですが、カエルや虫の声も
もう無く音楽を聴くには静かで良い季節になりました。

アバドも小澤と同様に若い頃の巨人がやはり良いですよね。
いろんなところに意欲的な表現が聴かれて、まとまり過ぎて
いないところがやはり魅力ですね。
この曲はやはり若さが似合います。

越中富山 |  2016.11.04(金) 00:18 |  URL |  【コメント編集】

コメントを投稿する

URL
COMMENT
PASS  編集・削除するのに必要
SECRET  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

*Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://bestclassic.blog97.fc2.com/tb.php/778-9dc0e38f

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP |