2017年11月 / 10月≪ 123456789101112131415161718192021222324252627282930≫12月

2016.10.16 (Sun)

マーラー 交響曲第1番 小澤&ボストン響(1987)

小澤_巨人1987

マーラー
交響曲第1番ニ長調「巨人」

指揮:小澤征爾
    ボストン交響楽団

録音:1987.10 ボストン、シンフォニーホール
レーベル:PHILIPS

録音はオケと適度な距離がありホールの残響も十分に響きます。
全体の響きと細部のクリアさが良く保たれていて、弦楽セクションは艶のある響きが
印象的です。小澤征爾51歳、1977年の録音以来このコンビでの2回目の録音です。

第1楽章 15:58
 開始からバランス良く整えられた丁寧な進行でテンポも中庸。ホルンセクションの入り
 の部分ではホールの美しい響きが良く感じられます。
 チェロからの主部に入ってからはテンポを若干速め、さらりとしなやかに流れる音楽は
 やや淡白な感じもしないではないですが、爽やかな気分で進みます。
 中間部も自然なたたずまいで表現され作為的になるようなところはありません。終盤
 の高揚はかなり速めのテンポで良く引き締まっていて開放感も十分。明快な表情で楽章
 をまとめています。

第2楽章 7:29
 テンポは速めで躍動感や張りのある力強い表現です。ホルンのゲシュトップの響きも
 くっきりと示されます。若々しさと勢いの感じられるもので一気に淀みなく進みます。
 トリオにおいても弦楽セクションのフレーズは粘る事なく、流れの良い表情で色彩感も
 明るく示されます。もう少し屈折したような表情も欲しくなりますが、無用な色付けが
 される事は無くしなやかに流れます。
 後半の表情も実に賑やか。終結部のトランペットのトリルも華やかに響きます。

第3楽章 10:35
 テンポは中庸。各ソロは淡々とした歌でつながれてゆきます。
 オーボエのフレーズ(2:35)辺りからテンポは上がりやや素っ気無い位で、流れは良いもの
 のこの楽章の雰囲気からすると淡白かなと思います。5:35からの弦楽での郷愁的な歌も
 同様の傾向ですが、ホルンソロなども美しく良く響き渡り、全体としては洗練された
 美しいフォルムが感じられます。
 終盤もパロディ的になることは無くしなやかな流れ重視といった感じでこの辺りの
 あっさりとした感覚は物足りなく感じる人がいるかもしれません。
 第1回目1977年のこのコンビでの録音よりも30秒以上速いです。

第4楽章 20:01
 冒頭から率直な表現。金管やパーカスはよく整理された響きでまとまり感が感じられ、
 アクセントはパワーよりキレの鋭さが感じられます。表現も大仰になること無くまた
 激烈的な表現とは違い、精緻な小気味良さがあります。
 一方第2主題のヴァイオリンは落ち着いて丹念にしなやかに奏でられ、終盤熱くなり
 過ぎることはありませんが美しく歌います。
 中間部の展開もストレートな豪快さとバランス感で粘着的な表情を作ることはありま
 せん。後半の緩徐部も深い呼吸やアゴーギグよりはしなやかで透明感のある表情を
 優先させています。
 終盤、ホルンのスタンド指定の箇所(657小節)では、1977年の録音と同様にティンパニの
 ffアクセント付のロールが追加されていて個性的な響きを効かせています。終盤の盛り
 上がりは一体感のある金管セクションが充実した高揚感をもたらしていて、アッチェレは
 かけないものの、爽快な響きで押し切っています。

全体的に1977年の録音と同様の解釈で健康的に洗練された解釈に感じますが、まとまり
感やこなれた感触が強くなっていて、1977年の方がより伸びやかな表現かもしれません。
他の指揮者の録音よりもさらり系ですが、率直に爽やかに響くこのマーラーも悪くないと
思います。

感銘度: A-
5段階( A+ A A- B+ B )に分けています。
関連記事

テーマ : クラシック ジャンル : 音楽

00:04  |  マーラー 交響曲第1番  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

*Comment

コメントを投稿する

URL
COMMENT
PASS  編集・削除するのに必要
SECRET  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

*Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://bestclassic.blog97.fc2.com/tb.php/775-5cea94c3

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | BLOGTOP |