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2016.10.07 (Fri)

マーラー 交響曲第1番 マゼール&ウィーンフィル(1985)

マゼール_巨人1985

交響曲第1番ニ長調「巨人」

指揮:ロリン・マゼール
    ウィーンフィルハーモニー管弦楽団

録音:1985.10.3-4 ウィーン、ムジークフェラインザール
レーベル:SONY

録音はオケからやや距離がありムジークフェラインの豊かな響きも良く入って
いますが、ややクリアさや抜けがもう一つといった感じがします。(特にティン
パニが入るとマスク気味)

第1楽章 16:36
 冒頭は中庸のテンポで明朗に開始しますが、チェロの主題が入る辺りからは
 テンポはやや遅くなり穏やかで滑らかな表情が強くなってゆきます。4分過ぎ
 のフルートソロ辺りからは弱音の扱いも丹念さが感じられ、どこかまどろんだ
 ような幻想的な色合いも感じられます。
 終盤に向けて粘着的な歩みでクライマックス(11分)もたっぷりとした恰幅の
 良さでホルンもスケール感があります。以降は通常程度のスピード感で全体を
 引き締めます。ラストのティンパニはドンドンとウィーンフィルらしい響きが
 印象的です。

第2楽章 8:56
 開始から随分と余裕の感じられる表情でテンポも遅め。躍動感や力感は控えめ
 ですが、細部までしっかりと鳴らしてボリューム感十分。
 3分ちょうどから入る低弦での8分音符でのリズム下降するフレーズも次第に
 テンポを落とすというユニークな表現が聴かれます。
 トリオは独特のレガートを伴ったクセの強い表現ですがマゼールらしい表現。
 後半も慌てること無く厚い響きでティンパニをはじめ、どっしりとした響きで
 まとめています。

第3楽章 11:40
 テンポはやや遅めで退廃的な気分が色濃く示されます。2:30からのオーボエの
 フレーズ以降からはテンポ揺れが著しくセンチメンタル風だったりノスタルジー
 的だったりと濃厚な雰囲気で表現されてゆきます。
 後半もメリハリ感は控え目で諧謔的になるような箇所でもかなりねっとりと
 した感覚で貫かれています。どこか怪しさが漂うような感じもします。

第4楽章 20:35
 テンポは中庸での開始。前楽章から一転良く引き締まった響きでパーカスや金管
 は良く鳴っていますが、カッチリとした冷静な視点も感じられ激情的な感じは
 さほどしません。第2主題は濃厚かと思いきや意外に落ち着いたしっとりとした
 歌を聴かせています。
 244小節(7:20頃)では弦楽の刻みが指定のPPよりはかなり大きく奏されていて
 緊迫感を煽ります。中間部も冒頭同様に気合が先行するようなものではありません
 が全休止後の最強奏の箇所では十分な間を取って劇的に表現しています。
 後半の緩徐部は弦楽の弱音コントロールと表現の丹念さが印象的。(ややネチネチ
 感が強いですが)
 終盤の高揚はトランペットの頑張りが足りない箇所がありますが堂々とした歩みで
 ラストもアッチェレをかけずインテンポで通しています。
 終結部近くでバストロンボーンのブーンブーンと鳴る気合の入った爆音も印象に
 残ります。(ハンス・シュトレッカー氏のバストロのようです。)

1979年のフランス国立管弦楽団との同曲の録音はかなり鋭角的な表現だったと
思います。1980年代のウィーンフィルとの全集録音からはマゼールのマーラーは
どれも遅く細部のこだわりが強く個性的な演奏になってゆきますが、この演奏でも
緩徐部の入念な表情付けは他の指揮者とは異なりユニークな表現が聴かれます。

感銘度: A-
5段階( A+ A A- B+ B )に分けています。)
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テーマ : クラシック ジャンル : 音楽

23:38  |  マーラー 交響曲第1番  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

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 |  2016.10.08(土) 19:05 |   |  【コメント編集】

■Re: タイトルなし

こんばんは

台風は風台風でしたね、私の住んでいるところではさほど風も
酷くなくて被害はありませんでした。
富山県内ではりんごや柿がたくさん落下して被害が結構あった
ようです、

マゼール/VPOの巨人はかなりやりたい放題といった感じですが、
マゼールにしかできない表現だと思います。近年のフィルハーモニア
との演奏は聴いていないのですが、テンポは相変わらず遅めな
ようですね。

越中富山 |  2016.10.09(日) 01:29 |  URL |  【コメント編集】

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