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2016.09.25 (Sun)

桐朋アカデミーオーケストラ 特別演奏会(2016.9.24)

桐朋20160924

桐朋アカデミーオーケストラ 特別演奏会
2016年9月24日 富山市 オーバードホール
(バイエルン放送交響楽団のメンバーを迎えて)

ヴァイオリン:アントン・バラコフスキー(バイエルン放送響、主席コンマス)
ヴァイオリン:ジヘ・イ(バイエルン放送響 第2ヴァイオリン 主席)
ヴィオラ:ヘルマン・メニングハウス(バイエルン放送響 ヴィオラ主席)
チェロ:セバスチャン・クリンガー(バイエルン放送響 チェロ主席)
オーボエ:ラモン・オルテガ・ケロ(バイエルン放送響 オーボエ主席)
トランペット:ハネス・ロイビン(バイエルン放送響 トランペット主席)
指揮:トマシュ・ブガイ
   桐朋アカデミー・オーケストラ

プログラム
 シマノフスキ:演奏会用序曲ホ長調op.12
 R・シュトラウス:オーボエ協奏曲ニ長調(独奏:ラモン・オルテガ・ケロ)
 ブルックナー:交響曲第3番ニ短調WAB103(1889年版)
 アンコールはなし。

今回は富山ではなかなか聴けない曲、また実演でも聴いたことがない曲ばかりの
プログラムで楽しみにしていました。
ブルックナーの3番なんて富山ではプロアマともに過去に演奏されたことも無いし、
今後もきっと演奏されることは無いと思います。
今回バイエルン放送響の6名の方の他に新日本フィル(ティンパニ)、N響、名古屋
フィル、東京シティフィル(弦楽)の方も数名参加されていました。

シマノフスキ:演奏会用序曲ホ長調op.12
 この曲は知らない曲だったのでYOUTUBEで予習してから行ったのですが、
 R・シュトラウス風というか知らないで聴くとどう聴いてもR・シュトラウスの
 ミニ交響詩といった感じの曲です。編成も3管オケでホルン6本、ハープも入り
 勇壮な主題の提示から華やかな弦楽が歌い、壮麗なホルンの響きやイングリッシュ
 ホルンのしっとりとしたソロ、また要所でハープやシンバルの華麗な音響は
 まさしくシュトラウスを彷彿させます。
 指揮者のブガイさんはポーランド人ですが、ポーランド人であるシマノフスキの
 作品の紹介も熱心な方との事。シマノフスキ初期22歳の曲ですが、面白く聴き
 ました。
 演奏は序盤に管やアンサンブルがもう少しかなと思いましたが次第に良くなって
 張りのある快活な表情を作っていました、

R・シュトラウス:オーボエ協奏曲ニ長調(独奏:ラモン・オルテガ・ケロ)
 2曲目は本物のシュトラウス。
 オーボエ奏者にとってはコンクール等で良く使われ、試金石となる曲です。
 ソロのケロさんはバイエルン放送響の主席奏者であり、当然ながら演奏は余裕と
 自由さの感じられる演奏。音色はやや細身かなと感じられましたが、繊細な響き
 です。第1楽章の伸びのある響きとフレージング、第2楽章冒頭の安定感のある
 息の長い表現や終盤のカデンツァでの技巧的な表現も流石に流暢なものです。
 3楽章も躍動的で活力のある響きが印象的でした。オケ側も若々しく、木管(特に
 クラリネット)の反応の良い演奏だったと思います。

ブルックナー:交響曲第3番ニ短調WAB103(1889年版)
 編成はスコアどおりの2管ですが、ホルンとトランペットに各1本追加されて
 いました。(ホルン5、トランペット4)弦楽は上から13,12,9,7,5とやや変形型で
 もう少し低弦が欲しい気もしました。

第1楽章
 冒頭のトランペットはやや弱いかなとも気もしましたが、落ち着いた開始です。
 全奏後の休止ではやはりホーバードホールのデッドな響きではブルックナーの交響曲
 を聴くには物足りない感じで魚津のミラージュホール辺りならもう少しサマになるのに
 と思ってしまいました。
 テンポは若干遅めのインテンポ基調での進行で先を急ぐようなこと無く腰の据わった
 ものです。金管の強奏もどちらかというとバランス指向でこの曲の無骨さやギラギラ
 した感覚はやや控えめで堅実な音楽運び。響きが濁るようなこと無く一体感のある
 表現は悪くありません。
 弦楽は流石に上手いものでこなれたアンサンブルが聴かれ、フッと湧き上がるような
 フレーズなど実に雰囲気があります。テンポ設定のせいか後半若干緊張が緩むような
 箇所もありましたが、丁寧な仕上がりでラストもスケール感豊かなものでした。 

第2楽章
 開始の弦楽の主題はゆったりしなやかに奏でられ、ブルックナーのアダージョ楽章で
 感じられるどこか切ない雰囲気も良く示されます。オーボエが入るとテンポは上がり
 ますが、落ち着いた気分は保たれ丹念に表現、チェロのフレーズも上手いものです。
 中盤、弦楽がピチカートで木管が旋律を奏でるところでホルンがソロでオブリガード的
 に吹くフレーズは結構好きな箇所ですが事務的な吹き方で少々残念。
 ホルンセクションはブルックナーでは肝になりますが、どの楽章も大きなキズはなかった
 もののもう少し積極的であって欲しいと思いました。
 終盤もテンポの大きな落差や極端なメリハリは避けられて、自然なつながりを重視して
 いたように思います。

第3楽章
 テンポは中庸。攻撃的になったり無骨さが強調されたりする感じはさほどなく適度な
 躍動感のある表現で続くヴァイオリンのフレーズも伸びやかです。
 トリオは指揮者によって個性が出るところですがやや遅めのテンポと軽めのタッチで
 優雅さが感じられるもの。後半もバランス重視ですがよくまとまっていました。

第4楽章
 冒頭からヴァイオリンの明確な音形がくっきりと響き、続く穏やかなヴァイオリンの
 フレーズではホルンとトロンボーンのコラール風のフレーズも美しい響きでよく
 応えていたと思います。またこの楽章の聴き所の時間差の追いかけの箇所も余裕の
 あるテンポでオルガンのような壮麗な響きが再現されていました。
 コーダはオケを豪快に開放して豪快な響き渡ります、個人的には最終部近くの
 ティンパニの「ダダダダーン」がもっと効いて欲しい気もしましたが、堂々たる
 見事な締めくくりでした。

全体に丁寧で各所丹念に良く演奏されていたと思います。もう少し無骨になっても
とも思わなくもないですが、ブガイさんの均整のとれた響きと解釈はなかなか精度の
高いものだったと思います。

今日もお客さんは開場前に既に300人程度は並んで(全自由席の為)ホールは9割
程度入っていたように思います。(私は3階で聴いていて4階席の状況は不明ですが)
やはり年配の方が中心でほとんど会員かその関係の方と思われます。でもタダ券とは
いうもののこのマイナーなプログラムでこれだけのお客さんが聴いてみようとホール
に足を運ぶのは大したものだと今回は思いました。

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テーマ : クラシック ジャンル : 音楽

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*Comment

こんばんは。
今回はお客さんが結構入ったようですね。
シマノフスキ、結構初期の曲はR・シュトラウスの影響ありますね。
リャードフなんかもそうですね。
ブルックナーはイイですね。うらやましい。
七味とうがらし |  2016.09.27(火) 22:03 |  URL |  【コメント編集】

■Re: タイトルなし

こんばんは
いつもありがとうございます。

ブルックナー3番の実演は貴重でした。
東京辺りなら1年に1度位は聴けるのかもしれないですが、
富山じゃ50年に一度かも。。。
聴けた人は貴重な演奏だったと思うのですが、
やはり「長かった、難しい」という感想が多かったそうです。


越中富山 |  2016.09.27(火) 23:59 |  URL |  【コメント編集】

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