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2016.07.31 (Sun)

マーラー 交響曲第1番 ドホナーニ&クリーヴランド管

ドホナ-ニ_巨人_1989

マーラー
交響曲第1番ニ長調「巨人」

指揮:クリストフ・フォン・ドホナーニ
    クリーヴランド管弦楽団  

録音: 1989.3 クリーヴランド、マソニック・オーディトリウム
レーベル: LONDON(DECCA)

録音はオケに近く、残響もやや少なめですが個々の楽器が非常にクリアに
聴こえます。このコンビの当時の録音と同様の傾向でティンパニなどパーカス
はかなり乾いたパンチのある音で録られています。

第1楽章 16:21
 端正な開始です。録音の傾向からも明快でソリッドな表現で遠方からの
 トランペットやチェロのフレーズは抜けるような透明度の高い音になって
 います。主部は落ち着いた率直な進行で気取らずほのぼのとした表情
 も感じられますが、音そのものの鮮度はかなり高いです。
 9分からのチェロのフレーズや木管のソロは精緻に響き、11分からのホルン
 セクションのハーモニーも流麗に響きます。
 13分台に入ってから次第に力がこもってきますが、粘りはあまり持たせずに
 ストレートに表現。頂点ではパーカスのパンチの効いた響きが炸裂します。
 終盤はさほどテンポを上げることは無く、堅実にまとめています。

第2楽章 6:51
 冒頭の低弦から良く引き締まった響きでサクサクとやや軽めのタッチ。
 テンポもやや速い設定です。
 トリオもホルンソロの箇所からさらりとしたもので主部も速いテンポで
 サラサラと流れます。どこか陽気な気分さえ感じる爽やかなノリが
 興味深く、他ではあまりない解釈です。

第3楽章 10:53
 コントラバスのソロは控えめの表情で一連のフレーズは淡々と進行します。
 オーボエとトランペットによる箇所も色合いは渋く、またインテンポ基調で
 テンポの揺れも少なく、節度と抑制が効いた表現となっています。
 5:56からのヴァイオリンの郷愁を覚えるフレーズも穏やかさと美感が良く
 発揮され抒情的な気分よりは響きの微妙なコントラストを意識している
 ようです。
 終盤のトランペットのフレーズ以降もテンポの急変をあえて避けている
 ように感じます。

第4楽章 20:32
 冒頭の大音響も精緻なアンサンブルで細部までクリアにこなしてゆきます。
 テンポも焦ること無く克明さと整理された響きを求めた作りで、ティンパニや
 グランカッサなどパーカスの要所での張りのある打ち込みが印象的です。
 第2主題はテンポは中庸、ヴァイオリンだけでなくチェロも良く効いていて
 落ち着きと艶やかな響きがよく感じられます。
 中間部の強奏も各フレーズが明確に縁取られシャープに表現。
 終盤の高揚も理知的な計算とコントロールがされた精度の高い響きで、
 その中に強い意志が感じられます。
 コーダのテンポ感にしても微妙に加速減速が設定されていてこだわりが感じ
 られる終結です。

ことさらマーラー独特の色合いを強調するものでも激情的に大きく振舞う
演奏でもありませんが、個々の音は凝縮して磨き上げられ、純度の高い
音響となっています。開放的な演奏とり違う趣が有り、客観的に良く吟味
された渋いマーラーです。

感銘度: A-
5段階( A+ A A- B+ B )に分けています。)

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