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2016.07.21 (Thu)

マーラー 交響曲第1番 小澤&ボストン響(1977)

小澤_マラ1_1977

マーラー
交響曲第1番ニ長調「巨人」

指揮:小澤征爾
   ボストン交響楽団

録音:1977.10 ボストン、シンフォニーホール
レーベル:グラモフォン

録音はオケからやや距離がありますが、このホールの残響をよく取り込んだ
豊麗な録音でホールで聴く様な雰囲気があります。
小澤征爾はこれまで同曲を3回録音していますがこれは1回目、41歳の時の
ものになります。元々「花の章」付きで録音されていましたが、「花の章」を抜きで
発売されることが多かったようです。最近のものは「花の章」付きです。

第1楽章 15:51
 冒頭からゆったりとした導入で滑らかで美しい響きを聴かせます。ホール遠方
 から響くトランペットも実に美しい響き。音楽は微妙に加速してゆきます。
 表情は瑞々しく自然な語り口が基本、変に粘るような事は無いので見通しの
 良さが感じられます。
 9分辺りからのチェロの響きや木管群のしなやかさ、10:55からのホルンセク
 ションの柔らかい響きなど美しい表情が続きます。
 クライマックスに向けてもありがちな粘着的なテンポの変化は無く率直なドライブ
 で頂点に達します。以降は速めのテンポで爽やかに駆け抜け、爽快そのもの。
 終結までしっかりと鳴らします。

第2楽章「花の章」 5:57
 やや速めのテンポ設定です。トランペットや木管(オーボエ)など艶やかに鳴り、
 清涼感の感じられる心地良い音楽に仕上がっています。

第3楽章 7:36
 冒頭の低弦から弾力感、躍動感十分の表現で管弦ともにボリュームのある響き
 をよく作り出しています。
 トリオは粘る事無くサラサラとさわやかに流れてゆき感傷的な気分は控えめ。
 テンポ変化も語尾に多少聴かれる程度、しかし素っ気無い感じはではなく雰囲気
 はあります。後半は前半同様、サクサクとオケをよく鳴らしています。

第4楽章 11:12
 テンポはやや遅めでコントラバスのソロは丹念に良く歌っています。以降に続く
 楽器も明快な語り口でつないでゆきます。3分からのオーボエとトランペットの絡み
 も無用な色付けは無く端正にバランス良く響きます。
 5:48からのヴァイオリンの繊細なフレーズも自然でホルンの伸びやかな響きが音楽
 に効果的に色合いを加えています。終盤も極端なテンポ変化が避けられています。

第5楽章 19:54
 冒頭から豪快な激情ぶりを聴かせますが、主部のフレーズはガッチリ図太く
 表現されていて勢いに流されず良く鳴りきっています。
 激しい個所のラスト部分も音がブツ切れになるようなことは無く念入りな表現。
 ヴァイオリンの第2主題は遅めの落ち着いた抑制の効いたテンポと表情で
 フレーズ後半高揚する個所でややテンポを上げて終始充実した響きを聴か
 せます。その後も隙の無いオケのドライブと充実した響きが印象的。

 興味深いのが、終盤18:20辺りのホルン全員にスタンド指定がある箇所(スコア
 の練習番号では56から)で楽譜には指定の無いティンパニの強いロールが2度
 加えられていて面白い効果を出しています。これは指揮者の解釈、意図という
 よりティンパニ名手のエヴァレット・ファースさんの考えではないかと思います。
 (確か小澤とのブラームスの1番でも独特のティンパニを聴かせてました。)
 ラストの個所はテンポアップすることは無く、豪快にオケを開放して締め括って
 います。

全体にホールの豊かな響きを良く生かした演奏で解釈もケレン味などは無く、
常に自然な息づかいが感じられます。この曲の本来の爽やかさと明快な響きが
率直に示されていて充実した演奏になっていると思います。
ボストン響も流石に上手いです。

感銘度: A
5段階( A+ A A- B+ B )に分けています。
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テーマ : クラシック ジャンル : 音楽

23:38  |  マーラー 交響曲第1番  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

*Comment

こんばんは。
梅雨、明けましたネ。
コレ、自分の中では屈指の名演。
マラ1のベスト盤、かな。
七味とうがらし |  2016.07.22(金) 22:22 |  URL |  【コメント編集】

■Re: タイトルなし

こんばんは

久しぶりこのCDを聴きましたが、やはりいいですよね。
小澤さんの代表盤の筆頭に上がるものだと思います。

小澤さんこの夏の松本音楽祭はブラ4を振られる予定ですね。

越中富山 |  2016.07.23(土) 01:17 |  URL |  【コメント編集】

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