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2016.07.18 (Mon)

マーラー 交響曲第1番 ミョンフン&ソウルフィル

ミョンフン・マラ1

マーラー
交響曲第1番ニ長調「巨人」

指揮:チョン ミョンフン
    ソウルフィルハーモニー管弦楽団

録音:2010.11 ソウル、アーツ・センター(ライブ)
レーベル:グラモフォン

録音はオケと適度な距離を持ち、自然でスケール感も十分。残響もホールの空間を
良く感じます。幾分ソフトな音調(ややベールを被ったような)で鮮明さと生々しさは
もう少しといった感じです。ライブですが聴衆ノイズはありません。(演奏後の拍手は
盛大に入っています。)

第1楽章 16:01
 テンポは中庸。しなやかで伸びやかさの感じられる進行ですが、金管や木管の
 速いフレーズはそれまでのテンポ感と関係なく突如として駆け抜けるように速く
 奏されるのがユニーク。カッコウのフレーズも意識して強調されています。
 中盤のトゥッティの箇所でも同様に速いテンポでバネの効いた表現となっていま
 すが、8~9分にかけて沈静する辺りはかかなり抑えた丹念な表現も聴かれ、
 箇所によって緩急の差がかなりあります。終盤のクライマックスに向けてもあわ
 てずじっくりと積み重ね、ホルンによる頂点に達しますが、以降ラストまで速い
 テンポ設定で疾走、爽やかさと小気味良さが感じられます。

第2楽章 7:34
 冒頭から音価をやや短めに取り、張りと弾力感の強い表現です。テンポも速め
 の設定で十分な切れの良さが感じられます。
 トリオは一転、テヌート、レガートを強く示すロマンティックな表現でテンポもかなり
 揺れて自由な語り口。子供の頃を思い起こすような郷愁を感じさせるセンチメン
 タルな表現です。後半もバネのある覇気溢れる軽快な表情で締めくくります。

第3楽章 10:49
 冒頭のコントラバスソロは良くピックアップされて続くファゴットソロも深く良く響き、
 淡々とした中にも抒情感が漂います。2:25からのオーボエソロとそれに絡むトラ
 ンペットの辺りはヴィヴラートを付けたトランペットが生々しく響き、またテンポは
 大きく揺れて感傷的で甘い表情を作ります。
 また直後には一転テンポアップして諧謔的な気分を増強させるなど、曲調の変化、
 メリハリを強く打ち出しています。
 5:30の擦れる様なヴァイオリンの響きで始まるフレーズも切なくまた幻想的とも
 いえる響きがユニーク。
 終盤もトランペットの強調やテンポの加速、減速がかなり加えられています。

第4楽章 21:03
 冒頭の強奏部は無用に激情的にならず各フレーズをしっかりと良く鳴らして
 ゆきます。金管セクションも鳴り過ぎる事なくバランス志向ですが不足感はあり
 ません。
 ヴァイオリンによる第2主題はかなり遅めのテンポでじっくりと繊細さと歌いこみ
 が感じられる表現で頂点でもテンポを上げずに分厚く弦楽を鳴らしきっていて
 実に見事。この楽章に限らず、この演奏ではインテンポ基調になるところが
 ほとんど無くフレーズは常に何らかの異なるテンポ感を示していて新鮮な響き
 をもたらしています。中盤での起伏の激しい箇所でも同様です。
 12分台からの緩徐部も入念な語り口でクライマックスへの道程が良く計算され
 ています。
 終盤、金管の高揚は特別豪快というわけではありませんが、十分な力感を示し、
 ラストは次第にアッチェレをかけて叩き込み、熱気十分に締め括ります。

全体に若々しく爽やかな響きとロマンティックな語り口を強調した起伏の大きい
表現でとても面白い表現だと思います。やや多弁な感じもしますがこのような
演奏は聴いたことが無いのでとても新鮮に聴こえました。オケもなかなかの
好演です。

感銘度: A
5段階( A+ A A- B+ B )に分けています。
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テーマ : クラシック ジャンル : 音楽

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