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2016.06.05 (Sun)

バルトーク 管弦楽のための協奏曲 チェリビダッケ&ミュンヘンフィル

チェリビダッケ_オケコン

チェリビダッケA
(ボックス)

バルトーク
管弦楽のための協奏曲Sz.116

指揮:セルジュ・チェリビダッケ
   ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団

録音:1995.3.20 ミュンヘン、ガスタイク・フィルハーモニー(ライヴ録音)
レーベル:EMI

録音はライブ録音です。元々レコーディングを想定したものではないため
必ずしも細部までクリアに録れている訳ではありませんが、通常ホールで
聴くような自然なバランスと水準は十分に保たれています。
オケとは若干距離がありますが適度にオケが広がり残響も感じられます。

晩年のチェリビダッケはテンポの遅さが特徴的ですがこの演奏でもかなり
遅い演奏となっています。例えばショルティ・シカゴ響と比較すると、
ショルティ    ① 9:00 ②6:05 ③ 6:30 ④4:01 ⑤ 9:30 計 35:01
チェリビダッケ①12:38 ②8:23 ③11:00 ④4:33 ⑤11:08 計 47:42
この曲の最長演奏ではないかと思います。

第1楽章「序奏」 12:38
 冒頭の低弦から深淵ともいえる響きを聴かせ、フルートソロ以降もフレーズの
 一つ一つが念入りに意味深く語りかけ、通常の演奏とはかなり雰囲気が異なり
 ねっとりと進行します。
 全体に遅いという訳ではなくトランペットが突出して強奏する個所など
 通常のテンポ感のところもあるのですが、緩徐個所の遅さは半端ない感じ。
 個所によってはギクシャクしたり間がもたないところがあるのも事実ですが、
 終盤も堂々たる面構えで通しています。

第2楽章「対の遊び」 8:23
 ドラムソロの遅さも当然ですが、木管セクションのリレーもどこか気だるい気分
 で酔っ払いのオジさん的(?)なユニークな表情を聴かせます。
 この楽章の軽快さは皆無です。金管アンサンブルもやや遅めですが、トラン
 ペットを中心に太く鳴ります。
 その後もテンポの遅さからかファゴット等のバックの動きも明快な響きで不思議
 な世界を作ります。

第3楽章「悲歌」 11:00
 この楽章の遅さは特に徹底しています。オーボエソロ辺りのフルートやハープ
 の扱いなども念入りで幻想的とも言える妖しい気分を醸し出しています。
 切り込むような弦楽と続く金管、パーカスの打音の個所も非常に物々しい進行
 でどこかオカルトチックな気分をも感じさせます。
 一音―音に込められた質量、重量感は相当なもので、フレーズのバランスも
 分解して組み上げ直したような変わった響きになっています。

第4楽章「中断された間奏曲」 4:43
 この楽章だけは通常のテンポ感に、近く緊張がやわらぎホッとさせられますが、
 それでもヴィオラからのフレーズはたっぷりと聴かせます。
 ショスタコの辺りはアッチェレがかかってきますが、意外にのんびりと朗らかな
 気分で終始。一転ヴィオラのフレーズに戻ると気分は一気に暗転。コントラスト
 の変化が通常とは変わった感覚で訪れます。

第5楽章「終曲」 11:08
 ホルンのユニゾンをたっぷりと鳴らし、しっかりとアッチェレをかけて入ります。
 テンポはやや 遅めですが恰幅よく音を鳴らしきっています。厚みとキレのある
 弦楽、快活に 浮かび上がる木管などオケの表情は非常に多彩でメリハリ感
 の強調やレガートな表情など聴いた事のない表現が頻出します。
 ティンパニはサドロだと思いますが流石にたくましい響きです。
 終盤の緩徐部の入念さやクライマックスに向けての表情付けもくっきりと楽想
 を繋いでゆきます。ラストは通常パウゼを取るところをそのまま一気に突っ切った
 かと思うと大ブレーキ。巨大な幕引きとなります。

バルトークの音楽というよりも意味付けされた深い物語でも聴くかのような別の
音楽になっていて正直面くらってしまいますが、ここまで徹底していると凄いと
しか言いようがありません。
オケも徹底した練習がされているようで良く指揮に付けています

感銘度: A (かなり異型の演奏ですが)
5段階( A+ A A- B+ B )に分けています。)

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