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2016.05.23 (Mon)

桐朋アカデミー・オーケストラ 特別演奏会

桐朋20160521

桐朋アカデミー・オーケストラ 特別演奏会
2016年5月21日 富山市、オーバードホール
(ベルリンフィルハーモニー管弦楽団のメンバーを迎えて)

ヴァイオリン: アンドレアス・ブーシャッツ (ベルリンフィル コンマス)
ヴァイオリン: クリストフ・ストロイリ
ヴィオラ: ウルリッヒ・クノルツァー
チェロ: ダヴィッド・リニカー
コントラバス: ヤンネ・サクサラ
フルート: アンドレス・ブラウ
トランペット: ギヨーム・ジェール
指揮: 佐藤俊太郎 (札幌交響楽団 指揮者)

プログラム
ドビュッシー: 牧神の午後への前奏曲
ボッテシーニ: ヴァイオリンとコントラバスのための協奏的大二重奏曲
                「グラン・デュオ・コンチェルタンテ」
バルトーク: 管弦楽のための協奏曲

年1回ベルリンフィルのメンバーを迎えての公演もすっかり恒例となり、今回は
7名の方が参加されていました。

ドビュッシー 牧神の午後への前奏曲

 この曲が演奏されるということはブラウさんのソロで聴けると思っていたので期待
 していました。ブラウさんの普段使用している楽器は木製のフルートなので幾分
 柔らかい音色で響き、バランスのとれた自然なたたずまいの美しいソロでした。
 ホールがデッドなのでこの曲としては明快に聴こえ過ぎる感じもしますが、演奏と
 しては雰囲気のあるものでした。佐藤さんのテンポは標準的ですがフレーズの
 終わり毎にやや溜めを持たせて、次のフレーズに余裕を持って繊細に入る辺りが
 印象的でした。

ボッテシーニ: ヴァイオリンとコントラバスのための協奏的大二重奏曲
             「グラン・デュオ・コンチェルタンテ」
 ヴァイオリン: アンドレアス・ブーシャッツ (ベルリンフィル コンマス)
 コントラバス: ヤンネ・サクサラ
 前回公演のパーセルといい今回のボッテシーニといい、この春の公演はあまり演奏
 されない珍しい曲がプログラムされているのが面白いと思います。
 今回のボッテシーニは名前は聞いたことがあるのですが、曲の方は全然知らなくて
 事前にyoutubeで幾つか聴いてきました。(17,8分程度の単楽章の曲です)
 弦楽アンサンブルで演奏されるのかと思っていたのですが、実際はフルオケ伴奏
 での演奏でこれが本来の演奏形式なのでしょうか?
 コントラバス奏者だったボッテシーニはコントラバスのパガニーニと呼ばれるだけに
 曲もコントラバス奏者には高い技術を要求する曲となっています。

 いかにもイタリアの雰囲気が感じられる流れと歯切れの良さが感じられる曲ですが、
 聴きどころはやはり後半でのヴァイオリンとコントラバスの掛け合いでコントラバスの
 低音と超高音が混在したフレーズ(ダン、タタタリラリ)が繰り返される部分や会話する
 ような流麗な旋律は聴いていてにやけそうになる楽しさがありました。
 ヴァイオリンも技巧的なソロが続きますが流石ベルリンフィルのコンマスの方なので
 余裕をもって演奏されてました。

バルトーク 管弦楽のための協奏曲

 今回のオケの編成は14型、楽譜通りの標準3管ですが、ホルンは5、トランペットは4と
 若干強化していました。
 
 第1楽章「序奏」
 冒頭の弦楽からゆったりと深い響きを聴かせますが、フレーズ後半では力のこもった
 アクセントが聴かれます。端正ながらも緊張感の感じられる進行で朗々と吹奏される
 トランペット主題、しなやかなオーボエソロ、芯のあるティンパニ(読響の方)など上手い
 ものです。終盤の金管の高揚や全奏も厚く響きます。

 第2楽章「対の遊び」
 ドラムソロ後、ファゴット、オーボエ、クラ、フルートとセクション単位でつながって
 ゆきますが、それぞれ躍動感のあるアンサンブルが見事。トランペットはベルリン
 フィルの方が牽引して感じですが、続く金管のコラールフレーズやホルンの高音から
 のフレーズも安定感がありました。後半も木管の明快な表現が印象的です。

 第3楽章「悲歌」
 冒頭から入念な表現で弦楽のざわめく響きから湧き上がるオーボエやフルート等
 妖しい雰囲気が良く示されていました。中間の悲劇的な強奏部では突き刺さるような
 トランペットのアクセントが強烈。ヴァイオリンはもうひと押し壮絶さがあっても思い
 ますが、チェロセクションのフレーズは緊迫感あふれるものだったと思います。
 終盤のピッコロも実に堂々としたもの。

 第4楽章「中断された間奏曲」
 オーボエの吹奏からこなれた歌が聴かれます。この楽章ではヴィオラから始まる
 旋律が印象的ですが、しなやかに郷愁を感じさせます。
 ショスタコのパロディ部分はさほど大袈裟に強調する感じは無く率直なもの。

 第5楽章「終曲」
 ホルンの勢いのある開始でテンポはやや速め。メリハリの効いた運動性の高い
 豪快な表現ですが、緩徐的な個所も疎かにならず細部まで精緻に表現されて
 いました。終盤の弱音からのラストに向けても盛り上げも効果的で鮮烈な響きを
 もって豪快な締めくくりです。

全体にどのパートも穴が無く、ベルリンフィルの方が入っていることもありますが、
いつも以上に高い水準の素晴らしい演奏だったと思います。
指揮の佐藤さんは堅実、手堅い解釈で奇をてらうな個所はありませんが、的確な
オーケストラコントロールを見せていたと思います。
佐藤さんが入退場される際、何だか少々トボトボと歩かれる姿と作る音楽との
ギャップが何だか面白かったです。(失礼)

トロンボーンパートはどうしても気になってしまうのですが、3番の方は珍しくバス
トロンボーンの他にコントラバストロンボーンも持ち込んでいました。
どこで使うのか興味があったのですが、4楽章のショスタコ部分の1発目のグリッ
サンドと5楽章の開始早々のチューバとのペダルトーン2発だけに使っていました。
効果的だったかはやや微妙な感じですが、興味深いものでした。

ホールの方はほぼ満席。ほとんどの方が会員(入会時に5千円で永年無料)で無料
チケット2枚を毎回持っているのでそろそろ入場者も限界が近いかもしれません。
(全席自由のため毎回公演1時間前からかなり並びます。)
毎回、一流の指揮者、ソリストが登場し非常に高い水準(ほぼプロオケと変わらない)
演奏を無料で聴けるのはありがたいことです。
(富山市の税金がかなり使われているそうですが。。。)
秋のシーズンのプログラムも発表されましたが、ブルックナーの交響曲第3番や
マーラーの巨人など大曲が揃っていて楽しみです。

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23:40  |  富山・金沢の演奏会を聴く  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

*Comment

プロの卵、教育的な色合いが強いオケですが、地元に根ざしたオーケストラがあるのがホントうらやましいです。
開演前に並ぶのはちょっと大変ですね。
BPOメンバーはオケの来日公演に合わせたもののようですね。
七味とうがらし |  2016.05.25(水) 19:28 |  URL |  【コメント編集】

■Re: タイトルなし

この秋はバイエルン放送響のメンバーとの競演のようです。

プロではないけどプロに近い技量の演奏会が毎年
春シーズンと秋シーズン各3~4公演ずつあります。
入会金を払って会員になると以降は無料なのでクラシック
好きには富山は良い環境ですね。
 
越中富山 |  2016.05.26(木) 01:13 |  URL |  【コメント編集】

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