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2016.05.16 (Mon)

佐渡 裕指揮 トーンキュンストラー管弦楽団 富山公演

佐渡_トーンキュンストラー富山

佐渡 裕指揮 トーンキュンストラー管弦楽団 富山公演
2016年5月13日 富山市、オーバードホール

プログラム
 ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲二長調op.61
 (ソロアンコール)
 バッハ:無伴奏ヴァイオリンパルティータ第3番BWV1006よリ ガヴォットとロンド
 (ヴアイオリン:レイ・チェン)

 R・シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」op.40
 (コンサートマスター:リーケ・テ・ヴィンケル)
 (アンコール)
 」2世&J.シュトラウス:ピチカート・ポルカ
 R・シュトラウス:組曲「ばらの騎士」より終盤の部分

佐渡さんが昨年秋このオケの音楽監督後、初の来日公演になります。
以前はウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団と名乗っていたと思うのですが、
近年はウィーンは付けないようです。ウィーンフィルやウィーン響のような
知名度はありませんが個人的には昔、朝比奈隆がこのオケを振ってブルックナー
の6番を演奏した録音をよく聴いていたので少し馴染みがあります。

富山公演は全国ツアーの福井に続き2日日、このプログラムでは初日となります。
佐渡さんらしくプレトークもあり、前日が誕生日で演奏会中にサプライズがあった
ことや熊本地震の募金のお願いなどがありました。

ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲二長調op.61
 オケの編成は14型。ティンパニに続く細身に響くウィンナオーボエの主題から
 いかにもウィーンの響きが感じられる開始。ティンパニも革張りのウィーン式
 で曲中でのアクセントではいい味を出しています。
 佐渡さんの表現は落ち着いたテンポとオーソドックスなスタイルでの進行。
 レイ・チェンのヴァイオリンも端正なスタイルの演奏ですが、豊かな響きと精緻な
 表現は惹きつけられるもので終盤のカデンツァも集中力が感じられました。
 テクニックも見事なものです。
 第2楽章は冒頭オケの主題からかなリテンポは遅め、甘美な傾向が強いもの
 でしたが、ソロの方は抒情的になり過ぎることなく幾分フレーズを速めに流して
 バランスをとっていたように思います。終始艶のある美しい響きと繊細な響き。
 第3楽章もオケ、ソロともに地にしっかりと足の着いた表情で適度な躍動感を
 示しながらも格調を失わない堂々たる表現で充実感がありました。
 ソロアンコールのバッハも透明感と余裕のある表情が印象的でした。 

R・シュトラウス:交響詩「英雄の生涯」op.40
 編成は16型、4管編成でホルン9、トランペット6といった具合で100人を超える
 大編成は壮観でやはりこの曲を聴く醍醐味です。
 「英雄」の主題から低減、ホルンの分厚い響きは流石に分厚い響きですが、
 フレーズを朗々と滑らかにつないでゆくのが印象的です。
 ティンパニは全編を通して強めにアクセントを加えていて、独特の打音がオケ
 全体を強く引き締めていたと思います。
 「英雄の敵」はさほど鋭角的にはなりませんが次々と入る木管楽器を明確に
 鳴らしてゆきます。テンポも中庸かやや余裕が感じられます。
 「英雄の伴侶」でのコンサートマスターのソロは女性の方でしたが上手いソロで
 表情豊かに多彩な表現を良く示していたと思います。全体のテンポ感も余裕が
 感じられ、雰囲気豊かなもの。
 「英雄の戦場」ではステージ裏で鳴る完璧なトランペットアンサンブルから聴かせ
 ます。ホルンセクションはウィーンフィル同様、ウィンナホルンを使用しているので
 ユニゾンで咆嘩する強奏の音色は独特の金属的な凄みを感じます。パーカス群、
 グランカッサの強打もホールを揺るがすほど。クライマックスでの豪快な全奏は
 わかっていてもやはり鳥肌モノでした。
 「英雄の業績」以降は通常よリテンポがやや遅めでじっくりと聴かせます。
 ファゴットソロのフレーズ以降は各楽器の扱いも丹念で普段聴こえないような
 ところも明確に聴かれます。
 「英雄の引退と完成」も前曲部分と同様に細やかな表現が聴かれ、戦場の
 回想部分も説得力のある表現。弱音でのホルンソロも余裕のある安定さです。
 また終結部近くのヴァイオリンソロから金管合奏につながる部分なども非常に
 美しい響きが聴かれました。

 全体に解釈はオーソドックスで特別に強い個性を示すものでは無いように感じ
 ましたが、楽譜を丹念によく読んでじっくりと恰幅の良い表現だったと思います。
 佐渡さんも55歳となって以前のような熱気や覇気浴れる芸風からやや老成した
 表現が近年は多いような気がします。(大人しくなるのが少々心配ですが)
 オケは昔ウィーンの2流オケとの印象を持っていたのですが、どうしてどうして
 今回その技量の高さには驚かされました。

アンコールはウィーンならではの「ピチカート・ポルカ」で小気味よい響きを聴かせ、
また「ばらの騎士」組曲の終盤部では豪快で賑やかなワルツも良く決まっていました。

S席19,000円とかなリチケット設定が高いなぁと思っていたのですが、意外に
ホールは埋まっていました。(私はB席で4階3列目)久しぶりにこのホールの4階で
聴きましたが幾分デッドさが軽減されて悪くありませんでした。
(1階の傾斜部を2階としているので4階は通常のホールの3階に相当します。)

今週末は桐朋オケを聴く予定です。(バルトーク、オケコン等)

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21:54  |  富山・金沢の演奏会を聴く  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑

*Comment

越中さんに触発されて、群響の定期に行って参ります。
メインはショスタコの10番 井上道義の指揮。楽しみですが、日帰りの予定ですが無事帰ってこれるのか?少々不安です。
七味とうがらし |  2016.05.20(金) 20:59 |  URL |  【コメント編集】

■Re: タイトルなし

七味とうがらしさん

井上道義のショスタコは定評がありますよね。
鮮烈な演奏が聴けそうですね、楽しんできて下さい。
私もたまには関東の方にも足を伸ばしてみようかな。





越中富山 |  2016.05.22(日) 02:03 |  URL |  【コメント編集】

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